映画エッセイ 第14回「お引越し」

   本を詰める。段ボールに。詰める、詰める。本を詰める。汗を拭う。根詰める。詰めが甘い。甘い爪。ペロリ。『あまくない砂糖の話』。あまくない佐藤の話。『ザ・ファブル』。殺し屋はあまくない。『リアル鬼ごっこ』。殺される佐藤もあまくない。糖質オフ。カロリーオフ。断食ダイエット。レコーディングダイエット。げっそり。古いCMソング。24時間、戦エマスカ。戦エマセン。休ミタイ。ムシロ積極的ニ糖分ヲ補給ス…

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映画エッセイ 第13回「世界の中心でなにかを叫ぶ」

しゃーっす、みなさんごきげんよかよか。映画系VTuberの西山さつきです。しばらく風邪だったから、久っしぶりの生放送なんだけど、みんな聞こえてるかなー。あー、うんうん、「元気?」「復活おめー」って、どもども、ご迷惑おかけしました。えーと、ちゃんと聞こえてるみたいだね。ほいじゃ早速はじめよかよか。 今日のトピックはこちら、じゃじゃーん。【さつきが気になってる今年の映画】でーす。そうそう恒例の…

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映画エッセイ 第12回「トポロジカル・シンキング」

地球を守るヒーローといえば? もしマクドナルドにいる女子高生にアンケート調査を実施すれば、満場一致。一も二もなく、だれもが口をそろえて「ウルトラマン」と答えるに決まっている。なんてったってデカいし、大きいし、巨大だし、ジャンボだ。 物心つく前から、ウルトラマンになりたかった。3歳のころに撮られたホームビデオを見れば、幼い僕が母のカチューシャをトサカのごとく頭にはめて、「シャッチ、ウントンマ…

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映画エッセイ 第11回「新規性と親近性」

今年から開始したさほど映画に関係のない映画エッセイも、はやいもので第11回まで到達した。いやはや廃寝忘食の思いで精励恪勤に続けてきた甲斐もあって、まさに古今独歩の快挙である。おやおや、たったの11回ごときで意味不明な文字列を並べ立てるほど欣喜雀躍できるものですかね、と呆気にとられる方もいるかもしれない。ところが、僕の今年のテーマは「死なない程度に腐敗堕落」である。人生なんかに期待せずいつだっ…

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映画エッセイ 第10回「うしろメタファー」

いまいち正確な肩書のわからない長髪のおじさん、みうらじゅん氏の造語は数知れない。 マイブーム、ゆるキャラ、クソゲーなど、これほど新陳代謝の激しい流行語を生みだしながらも、いずれも古びることなく健在なのだから驚くべきヒット率と精度である。なんといっても時代の隙間に埋もれている素朴な概念を見つける慧眼と、それにキャッチ―な名前をつける戦略的な感性の両方がなくては成し遂げられない偉業だろう。…

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映画エッセイ 第9回「はじめに」

とっても珍しい論文を見つけた。なんとなしに海外旅行サイトをネットサーフィンしていたら、その観光スポットで行われた薬学治験の実態にたどり着いてしまったのである。 「特殊環境下における身体的および精神的変化の符号とその妥当性」と題された、UNAPEC(APEC Univercity)の総合理工研究科Yadiel Perez氏の博士論文(2021年)は、PDFにて一般公開されており、著作権は…

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映画エッセイ 第8回「あなたの番です」

「「博士、いま思い出せない映画があって、とても困ってるんですよ。もう気になりすぎて発狂しそうなので、ちょっと一緒に考えてくれませんか」 「大げさだね、きみは。なんだね、言ってごらんなさい」 「大部分の記憶がおぼろげなんですが、たしかですね、主人公がどこかの施設に収容されている殺人犯に協力を求めるシーンがあるんですよ」 「やれやれ。そんなの『羊たちの沈黙』に決まってるでしょうに。ほら…

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映画エッセイ 第7回「時間芸術の非分類学」

おっと、いけない。うっかり新発売の電子カードゲームやコミックのあれやこれやに追われているうちに、すっかりと時間が経ってしまった。もしこれがきっちりとした連載原稿ならば、はっきりとおしまいである。掲載誌にはがっつりと穴が空き、僕の胃にもぼっこりと穴どころか、ごっそり臓器ごと溶けて、たっぷり血反吐をまき散らしているに違いない。考えただけでもげっそりでぐったりであるが、がっかりしなくともまったりな…

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映画エッセイ 第6回「失踪するエッセイ」

びたあっ。音を立てて筆が止まる。あまりの反動で手首が折れかけたが、どうしたのかい、となんだか間抜けな表情で固まっている原稿とにらめっこするうちに、じわじわと呼吸困難に陥りそうなほどの笑いがこみあげてきた。この絶望的なまでの未完成ぶり、いよいよサグラダ・ファミリアの工期のほうが先に終わりそうじゃないか。こんなにも遅々として進まない小説があるなら、すぐさま虚偽告訴罪の疑いで厳しく取り締まってもら…

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映画エッセイ 第5回「映画館の存在意義」

ああ、完全にどうかしている。もう二度と映画の本質論めいたタイトルに走らず、バターしょうゆ味のマイクポップコーンみたいにふわっふわで腹にたまらない、でも病みつきになっちゃう文章を書こうと誓ったのに、気づいたら怪獣の股下から黒々とした股間を見上げて「で、でかい」と腰を抜かしながらポップコーンをぶちまける、死にゆく一般人Dのような立場になっている。こいつはとんでもない主題を立ち上げてしまった。 …

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